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日本人は大人になると勉強しない?非認知能力の重要性とは?

更新日 2023.9.26

日本人は大人になると勉強しない?非認知能力の重要性とは?

「子どもの頃は勉強が得意だったのに、大人になるとなぜか勉強が苦手に感じる」
「歳を重ねる度に学習意欲がなくなっていった」


といった経験を持つ方は少なくありません。社会的な責任や日常生活の忙しさに加え、新しい情報やテクノロジーの急速な進化により、大人になってからの学び直しには学生時代の時とは違った“キツさ”があるでしょう。しかし、そんな中で「非認知能力」という要素が、大人になっても勉強を成功させるための鍵となることが明らかになっています。本記事では、その非認知能力に焦点を当て、大人の学び舞台における重要性を深掘りしていきます。

1. 大人になってからの勉強に対する課題

日本の大人が勉強しない状況が社会人の修士課程への入学者数でわかります。OECDのデータによると、25歳以上の社会人が、短期高等教育機関へ入学する割合は、OECD諸国中で最下位。30歳以上の「修士」課程への入学者の割合も、3.2%と低く、トップのイスラエルの53%とは大きな開きがある。

引用:先進国一、勉強しない日本の会社員に明日はあるのか?
引用:NewsPick 先進国一、勉強しない日本の会社員に明日はあるのか?

このように、日本は学ばない、大人になったら勉強しない国だと言われています。では、なぜ、日本の大人が勉強しなくなったのでしょうか?

大人になると勉強が難しくなる主な要因は、さまざまな社会的な要素が影響を及ぼしています。一つは、仕事や家庭の負担が増えることで、学習時間や精神的な余裕が減少することが挙げられます。仕事の忙しさや家族のサポートに追われ、学ぶための時間や集中力を確保することが難しくなることで、勉強に対するモチベーションが低下してしまうケースが多いです。

参考文献:リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査」

さらに、大人になると多忙な日常生活の中で、他の興味や趣味とのバランスを取ることが難しくなる場合もあります。趣味やレジャー、家庭の時間など、多様な活動に振り回される中で学習への時間やエネルギーを確保することが困難になります。このようなバランスの取り方が難しい状況は、大人になってから勉強に対する意欲を減退させる要因として影響を与えることがあります。

大人になってからの勉強の課題には、これらの社会的な要因に対処することが含まれます。学習のための時間管理や優先順位の見極め、効果的な学習環境の整備などが重要となります。さらに、自らの学びたいという意欲を持ち続けるために、学習内容を楽しむ工夫やモチベーションを高める方法を身につけることも必要です。これらの課題を理解し、対応することで、大人になってからの勉強の障壁を乗り越えて成果を上げることが可能となるでしょう。

2. EQと非認知能力との関係性

EQ(感情知能指数)と非認知能力は、個人の人間性や行動に影響を与える要因として関連していますが、異なる概念です。以下にそれぞれの概念とその関係について説明します。

2.1 EQ(感情知能指数)

EQは感情的な知識と感情の管理能力を評価する指標です。感情知能は自己認識、他者との調和、感情の適切な表現など、感情に関する概念を含みます。

EQは、自己認識、自己調整、他者への気配り、社交的スキルなど、感情と関連するさまざまな側面を評価します。

高いEQを持つ人々は、感情的な健康を保ち、他人との良好な関係を築く能力が高まり、対人関係やコミュニケーション能力に優れていることがあります。

2.2 非認知能力

非認知能力は、認知能力以外のスキルや能力を指し、主に個人の行動やパフォーマンスに影響を与えるものです。これには、自己管理、協力、毅力、創造性、問題解決能力などが含まれます。

非認知能力は、学業の成功、職業での成功、日常生活での適応能力などに重要な役割を果たします。

非認知能力は、EQを含む感情的な側面だけでなく、認知的な能力(知識、知性など)とも関連しています。これらの能力は、個人の総合的なパフォーマンスに影響を与えます。

2.3 EQと非認知能力との関連性

EQと非認知能力は、感情的な知識、自己管理、他者との関係の質、コミュニケーション能力など、いくつかの側面で重なることがあります。高いEQを持つ人々は、しばしば自己認識と自己調整の能力に優れており、これは非認知能力の一部です。また、協力やコミュニケーションスキルは、EQと非認知能力の両方に関連しています。

総合的に言えば、EQと非認知能力は、個人の社会的なスキルや行動に影響を与え、成功や幸福感に寄与する要因として共に重要です。しかし、これらは異なる概念であり、それぞれ異なる側面を強調しています。

3. IQと非認知能力の違い

IQと非認知能力の違い

IQ(知能指数)とは知的能力を測る指標であり、言語理解、論理的思考、問題解決能力などを測定することによって、一般的な知能水準を数値化します。IQは認知的な要素を評価するため、数学や言語、科学などの学術的な領域での学習や問題解決に関連する能力を測定するのに適しています。

一方で、非認知能力(または、EQとも言います)はIQとは異なる要素であり、学業や仕事における成功に影響を与える心理的・行動的要素を指します。非認知能力にはさまざまな要素が含まれますが、主なものとして以下のような点が挙げられます。

3.1 自己管理能力

目標設定や計画立案、時間管理など、自己の行動や学習を効果的に管理する能力。

3.2 社会的スキル

コミュニケーション能力、協力性、リーダーシップなど、他者との関係を築くためのスキル。

3.3 忍耐力と努力

挫折への対処、粘り強さ、継続的な学習への意欲など、困難に立ち向かうための精神的な要素。

非認知能力は個人の意欲、モチベーション、行動に大きな影響を及ぼし、学習や仕事においてIQと同様に重要な役割を果たします。IQは一定の能力を示す一方で、非認知能力は成長や発達によって変化する可能性があるため、学習意欲の向上や挑戦への意欲を高めるためには、非認知能力の育成が重要とされています。

両者の違いを理解することで、大人になってからの勉強に対するアプローチを見直すことができます。IQの向上も重要ですが、同時に非認知能力を伸ばすことで、より効果的な学習や成果を得ることができるでしょう。

4. 大人の学び直しと非認知能力の育成

大人が勉強を成功させるためには、非認知能力の向上が欠かせません。以下に、大人の学び直しにおいて非認知能力を育成するための具体的な方法を紹介します。

大人の学び直しと非認知能力の育成

4.1 目標の明確化と計画立案

まず、学び直しの目標を明確に設定することが重要です。自分がどの分野で成長したいのか、どんなスキルを身につけたいのかを明確にしましょう。目標が明確になれば、それに向けた具体的な計画を立てることができます。計画を具体的かつ実現可能なものにすることで、学習の方向性を定め、取り組みやすくなります。

4.2 自己管理能力の向上

学び直しを成功させるためには、自己管理能力を高めることが必要です。時間管理や優先順位の見極め、集中力の向上などが含まれます。効果的な学習環境を整え、学習時間を確保することで、効率的に学習に取り組むことができます。

4.3 メンタルトレーニングやコーチングの活用

学習においては、モチベーションを保ち、ストレスをうまくコントロールすることが重要です。メンタルトレーニングやコーチングを活用することで、学び直しのモチベーションを高め、自信を持って取り組むことができます。また、挫折や困難に立ち向かうための心の準備や対処法を身につけることで、学習の継続がしやすくなります。

4.4 チームやサポートネットワークの活用

学び直しの過程で、一人だけでなく、周囲のサポートを受けることも重要です。友人や家族、同じ志を持つ仲間などのサポートネットワークを活用し、学習のモチベーションを高めることができます。また、一緒に学び合うことで、お互いに刺激を与え合い、成長を促進することができます。

    大人の学び直しは、非認知能力の育成と学習のスキルの向上によって、より効果的かつ充実したものとなります。目標を持ち、計画的に学習に取り組み、メンタル面も含めたバランスのいい取り組みをすることで、大人でも学習の成果を上げることができるでしょう。

    5. まとめ

    大人になってからの勉強が難しい理由は、仕事や家庭の負担、他の興味・趣味とのバランスなど、さまざまな社会的要因によるものです。しかし、それに立ち向かうためには、IQのような知的能力だけでなく非認知能力のような社会的スキルの育成が重要です。非認知能力は自己管理能力、社会的スキル、忍耐力といった心理的・行動的要素を含み、学習や仕事の成果に大きく影響を及ぼします。

    大人の学び直しにおいては、目標の明確化と計画立案、自己管理能力の向上、メンタルトレーニングやコーチングの活用、そしてサポートネットワークの活用が重要な要素となります。これらの取り組みによって、学習のモチベーションを高め、挫折に立ち向かい、継続的な学習を実現することができます。

    IQだけでなく、非認知能力を高めることで学習や仕事の成果を向上させることができることは、多くの研究で示されています。今回の記事を読んだあなたも、自己成長や学習のために非認知能力の向上に取り組む重要性をお伝えできていたら幸いです。大人になっても学び直しに取り組み、自らの成長に向けて一歩を踏み出してみませんか?

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