こゝろ
こんにちは!
株式会社OnLineの川原響希です。
あなたは夏目漱石の『こころ』を読んだことがありますか?
高校の国語の教科書にも載っているので、
知っている方も多いのではないでしょうか。
とは言え、
「読んだことはある気がするけどどんな内容だったけなぁ…」
という方もいらっしゃると思うので先にあらすじをお伝えしますね。
===
少年が鎌倉の海岸で出会った男性はいつもどこか寂しげだった。
少年は、その男性のことを「先生」と呼ぶようになる。
父親の見舞いで故郷に帰省していた少年は
先生から届いた自殺を思わせる手紙を抱えて東京行きの汽車に乗り込む。
その手紙には、先生の悲しい過去の告白が。
信頼していた人間に裏切られたことで体験した地獄。
そして、自分も親友を裏切ってしまったこと。
先生は学生時代、下宿の主である未亡人のお嬢さん(後の先生の奥さん)に、
ひそかに恋心を抱いていた。
しかしある日、先生の親友であり同居人のKが先生に対して、
「お嬢さんに恋をしている」と告白する。
先生はそんな純粋無垢なKに対して
「精神的に向上心のない者はばかだ」という一言を浴びせ、
その裏で未亡人にお嬢さんとの結婚を請い許諾される。
気まずさを覚え、先生はKにこのことを言えないでいた。
しかし、先生より先に未亡人の口から先生とお嬢さんの結婚を知らされ、
その後、Kは自殺。
Kを裏切り、失望させ、自殺へと導いたという自責の念。
その自責の念は、最終的に先生本人を、死へと誘った。
===
私は、この作中に出てくる
「精神的に向上心のない者はばかだ」
という言葉が大好きです。
お嬢さんに恋心を抱いているとKに打ち明けられたときに
先生がKに向かって放った言葉です。
しかし、あらすじでもご紹介した通り
先生もKと同じようにお嬢さんに恋心を抱いていました。
つまり、先生は自分のことを棚に上げて、
この発言をしているのです。
Kを恋に進ませないために、、、
なんとも利己的な発言ですね。
でも、世の中を見渡すとこういったことがよく起きています。
ちなみに、利己的な行動を取る人の中には
“自覚がある人”と“ない人”の2種類の人がいます。
今、このメルマガを読んでいるあなたのような方は
仮に利己的な発言をしてしまってもきっと自覚があることでしょう。
もしかしたら、自分の利己的な行動に対して
罪悪感に苛まれてしまう人もいるかもしれません。
反対に、誰かの利己的な発言で悩んだり苦しんだりした経験がある人もいるかもしれません。
私たちがどれだけ自覚を持っても世の中には悪意なく
刃を振りかざしてくる人はいますから。
ただ、この利己心という汚い「こころ」は誰もが持っています。
いいことを言っているつもりが実は誰かを傷つけていたり、
相手を意図的に攻撃するつもりでも
想像以上に相手にダメージを与えてしまったり、、、
誰しも多かれ少なかれそういった経験をしたことがある
と思います。
だからこそ、自分の中に利己心があることを自覚し
「その利己心とどう付き合っていくのか?」
これを考え続けることが
社会人としてとても大切なことだなと思います。