謝罪
数年前に読んだある本の中に、
「被害者に求められていないのに許しを乞うのは、暴力でしかないんだ」
という言葉が書いてありました。
※ここでは“許しを乞う”=“謝罪”という意味で書いてます
初めてその言葉を見たとき、個人的には感覚では共感できるけど、
「なぜ、そうなのか?」を理屈では説明できませんでした。
謝罪と言われると漠然としたイメージがありますが、、、
そもそも、“謝罪”ってなんでしょう?
一般的に、謝罪というのは『過去の過ちへの償い』という風に理解されています。
しかし、実際は謝罪をしたところで自分の過ちが消えるわけじゃありません。
許しを与える側もその出来事が起こる前に戻るなんてできませんよね。
では、謝罪はなんのためにあるのでしょう?
それは、「過去の出来事を踏まえつつ、よりよい未来の構築を目指す」
と私が参考にした論文には書いてありました。
↓↓↓
人はなぜ謝罪するのか (1.42MB)
つまり、よりよい関係の構築のために謝罪は必要ないと
被害者・加害者のどちらかが思えば、謝罪は意味をなさないということです。
冒頭の文章のパターンでは、被害者側がよりよい関係の構築を望んでいません。
「劣悪な関係のままでいいと思っていた相手から急に許しを乞われたから
心を殴られた気分だわ。」
というところでしょうか。
そうなると、加害者側にとっても謝罪にはリスクが伴います。
謝ったところで相手が許してくれるかもわからない上に、
謝罪することで自分の罪を認め、明るみに出てしまうからです。
謝罪なんてしなくていいならしたくないと思えてくるかもしれません。
人と関わっている以上どれだけ気をつけていても
必ずどこかで誰かを傷つけてしまうものです。
しかし、それは他者への配慮を欠いていい免罪符にはなりません。
謝罪しても過去には戻れないし、関係を修復できる保障もありません。
謝罪の本来の目的からも推測できることは、
謝罪があるかないかに関わらず人間関係において
そもそも良い関係性を構築することが大切だ、
ということです。
今、身近にいる人をこれからも大事にしていきましょう。