リカレント教育企画:コロナ時代の生存戦略 その①
人生100年時代と老後2000万問題
2019年の増税に続き、2020年からコロナの影響で、日本の景気は悪化の一途をたどる一方です。この時代に生き残るために何を学び、どのような教育が必要なのでしょうか。リカレント教育が必要になってくる背景、生存戦略とその実践方法を白石代表に聞いていきます。
1. 人生100年時代に学ぶべきスキル
これからの日本は国は豊かに、国民は貧乏になっていく
増税傾向の持続によって、一人ひとりの可処分所得が減るので、相対的に物価は上がります。つまり、同じ10万円で買えるものは減ってしまい、お金の価値が上がることになります。この状況の中、人はよりお金を溜め込む傾向となり、消費欲が低くなっていき、負のスパイラルが続くでしょう。
さらに、人の寿命がどんどん伸びることで、人生100年時代に突入しました。人の寿命と反対に、企業の寿命が短くなっていき、人間の寿命は企業の寿命を越える時代になりました。つまり、65歳の定年まで一社に勤めて、その会社が残る可能性は極めて低い時代になってしまいました。定年まで勤めて、老後は安泰のような時代はハッキリと終焉を迎えたと認識する必要があります。
この中で、どうやって時代と向き合うかと言いますと、仕事をただ単に『生きていくための手段』と捉える人であれば、時代に求められるビジネススキルを身につければやっていけると思いますが、それだけでは飽き足らず、自分らしく豊かな人生を生きていきたいと願う人にとっては『自分にしかできない何か』を明確にしていく必要があるでしょう。
大企業に勤めて、将来は安泰だと思う人もたくさんいると思いますが、これからの時代はどうなるかわかりません。今までは会社の肩書きで生きてきたような人であっても、これからは自分の名前で活躍していく、「じぶんブランド」と我々はそのように呼んでおりますが、つまりは人から選ばれる人になっていく必要があると考えています。そして単にビジネススキルが高いだけではなくて、一緒に働けて楽しい、共に成し遂げたい、一緒に仕事したい、と人や社会から求められる土台となる『人間力』を備えるべきでしょう。
2. 働く意味=仕事を楽しめる時代に年金頼りから脱却
僕が大学を卒業して社会人になった2001年当時は小泉政権でした。『これからは自己責任の時代だ』と言われ始めた頃でした。
当時、僕は年金だけに頼るだけでは老後豊かに暮らしていけないとハッキリと認識し、国や会社に依存することなく自分の力で生き抜く力が必要だと痛感しました。あれから20年以上が過ぎた現在、もちろん、年金の破綻が起こることはないと個人的に思っていますが、我々の世代の受給額は下がるでしょう。
その中、老後2000万円問題に加えて、人口減少に拍車をかけることになると予想されます。このような社会情勢では安心して子どもを育てられないので、人口減少傾向も続くでしょう。国にとって、人口が増えないと、GDPも上がりません。近々日本のGDPはインドに抜かれ、30年以内にインドネシアにも抜かれる時代がやってきます。
しかし、国や政治家の批判をしたところで何も始まりませんし、何も変わりません。『国民が貧乏になる構造の国』である日本で暮らし続けるという選択をするのであれば、個人レベルで何かしらの対策が必要だと言いたいのです。
まずは、国のために、会社のために65歳まで一生懸命働けば報われるという時代が終焉を迎えたという事実を受け入れる必要があるでしょう。できるだけ働きたくない方にとって、これからは残酷な時代になっていきます。その反対に、働くことが好きだという方、もしくはやりたい仕事ができているという方であれば、75歳や80歳まで現役で働き続けることができれば、実質的に老後を短くすることができますので、悲観することはないと思います。
(続く)