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Recurrent Education

リカレント教育企画:コロナ時代の生存戦略 その⑤

基本的な生存戦略

お金を稼ぐ方法は2つしかないと考えています。

一つは金融資本を金融市場に投資する。つまり自分のお金を株などに投資し、お金を増やす方法です。もう一つは人的資本を労働市場に投資する。自分自身の労働力を労働市場に投資して、その対価としての報酬をいただく方法です。この二つの方法しかないと考えています。

まずは金融資本を金融市場に投資する方法に関してですが、投資から最大限のリターンを得ようと考える時、三つの数字が関係してきます。それは元本、利回り、運用期間です。例えば、100万円の元本があったとしましょう。その元本を何%の利回りで何年間運用するのか。その三つの数字の掛け算によってリターンが決まってきます。人生100年時代ですので、老後資金を投資でもある程度運用していく必要があるのかなと思いますし、今の時点で、投資は自分と関係ない方も多いと思いますが、私たちは労働市場から引退した瞬間から全員が一投資家になります。お金を持っているかいないかは関係なく、労働収入が無くなった瞬間から投資家になるんです。たとえ銀行にお金を預けるだけでも、一つの投資です。投資の勉強はやらないより絶対にやった方がいいと考えています。

もう一つの稼ぐ方法は人的資本を労働市場に投資すること。この考え方は金融資本の投資の考え方と全く同じなんです。金融投資は元本、利回り、運用期間、この三つの数字でリターンが決まるというお話をしましたが、この人的資本の考え方も同じです。元本は自分の能力を指します。利回りは自分の成長、つまり自分の給料はどれくらい上がっていくのか。そして自分を何年間この労働市場で働かせるのか、というのが運用期間にあたります。

投資では元本が多ければ有利であることと同様に、自分の労働資本、つまり稼ぐ力が高ければ高いほど有利です。それプラス成長率、自分がどれだけその市場で価値を高めることができるのか、それもリターンに影響します。そして運用期間ですね。どれくらい長く働くのか、それによって生涯の稼ぐ金額というのは変わってきます。私は金融資本を投資して金融市場で稼ぐよりも、労働市場で稼ぐ方が圧倒的に簡単だと考えています。

投資で稼いでいこうとするとリテラシーが必要で、膨大な勉強も必要になっていきます。一方労働市場で稼いでいこうとするならば、働きながらも勉強できますし、自分自身の価値を高めていくこともできますので圧倒的に簡単です。何よりも簡単なのは、長く働くということ。これに関しては誰でもできます。もちろん個人の健康状態やご家族の介護の関係で長く働けない方も中にはいらっしゃるかとは思いますが、多くの場合は何の戦略もなく長く働くことはできるんです。ただし「75歳まで働きたくない」「80歳まで働きたくない」と、このように、働くことが嫌いな人にとっては一番簡単なこの戦略を取ることができないので、老後2000万円問題がリアルに自分自身に襲いかかってきます。反対に働くことが好きだったり、好きな仕事がある、好きなことをマネタイズする能力がある人にとっては、生涯現役で働き続けることができれば労働資本は高まっていき、その分報酬(リターン)も上がっていき、さらには老後の時間が相対的に短くなりますので、老後2000万円問題はほとんど解決します。

(続く)

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