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子どもの非認知能力は親の非認知能力で決める!親と子どもの非認知能力に関する5問

非認知能力というのが幼児教育の分野ではたくさん研究されています。子どもの非認知能力は6歳までに決めると言われるほど、早く育ててあげることによって、将来の学校生活、社会生活の土台を作り上げやすいと言われています。

子どもの非認知能力は親の非認知能力で決まる!

子どもの非認知能力を伸ばすことが重要視されている中、その教育メソッドは様々ありますが、実は子どもたちが成長していく上で、親の非認知能力も欠かせないものになってきます。

例えば、

母親が大卒であるとか、蔵書が多いという幼年期の知的な家庭環境が好奇心などの開放性を高め、将来の労働市場における成功と結びついている可能性も考えられます。

参考文献:戸田 淳仁、鶴 光太郎、久米 功一『幼少期の家庭環境、非認知能力が学歴、雇用形態、賃金に与える影響』

親がどういった興味関心があって、どんな家庭環境を作るかによって、子どもの将来にも大きく影響を与えます。

今回の記事では、親の非認知能力と子どもの非認知能力の関係について、5つの設問を通して詳しく解説していきます。

1、どうして親の非認知能力が子どもに影響を与えるのか?

わかりやすく言いますと、子どもが親の背中を見て成長するからです。

親の非認知能力とは、親が子どもたちに対しての感情的な支援や支持を指します。非認知能力を育てるには、親の適切な関わりによって、築かれる安定した愛着が必要だと言われています。※1

安定した愛着関係を築くには、子どもが望む3つのことを満たす必要があります。

「愛してほしい(愛情)」「見てほしい、聞いてほしい、分かってほしい、困ったら手を差し伸べてほしい(関心)」「認めてほしい(前向きな注目)」※2

そういった欲求を満たされることで、それは子どもたちに自信を持たせ、自分の能力を信じ、自分の失敗や挫折を乗り越える力を与えることに直結します。なぜなら、子どもは自立できるまで、親から存在を認められることによって、自己肯定感が育まれるからです。

多くの子どもは生まれつき、親のことが大好きです。好きになってもらうために、親を喜ばせるために動くのが子どもです。親を真似して、親に愛してもらえるように動くのが、子どもが心理的な安心を得られる手段の一つだと言えます。

幼少期に伸ばせる非認知能力は、

  • 自己受容
  • 時間的展望
  • 自信
  • 思いやり

などです。

例えば、なにかをやりきったことがない親が、子どもにやりきってと要求しても、子どもは参考にできるモデルがありません。しかし、逆に親がいろんなことをこなしてきた、一つずつやりきってきた人であれば、子どもは親を真似するだけで、やり切る力、やり切る方法を身につけることができます。

また、高い感情的知能を持った親は、子どもの感情的なニーズを理解し、サポート的かつ育てる方法で対応することができます。一方、自己調整のできない親は、自分自身の感情を管理することができず、衝動的または不安定な行動を示すことがあり、子どもの行動に悪影響を与えかねません。さらに、自分自身の成長に興味を持ち、継続的に学ぶことに励んでいる親は、子どもにとって良いモデルとなり、同じように発達を促すことができます。つまり、親の非認知能力は、子どもの社会的、感情的、認知的な発達を形作る上で重要な役割を果たすことになります。

親の非認知能力は、子どもたちが自分の能力を信じることができるようにするだけでなく、子どもたちが自分の失敗や挫折を乗り越える力を与えることもできます。例えば、子どもが失敗したとして、親が子どもを待ってあげる選択をするのと、待たずに手伝ってあげる選択することによって、子どもの自立性に影響を促します。全て手放すことはないのですが、ある程度子どもに任せることができれば、子どもも自ら失敗を乗り越えることができるでしょう。

参考文献:鈴木裕美『育てよう非認知能力ーこれからの社会を生き抜くために必須な資質ー』

2. 子どもはどんな場面で親からの影響を受けているのか?

子どもはどんな時、どんな場面で親から影響を受けるのか?

子どもの成長の中で、親は常に中心的な存在です。衣食住など、すべて親から与えられていることを知りつつ、親がどんな時に喜び、どんな時に悲しみ、どんな時に怒りなどの感情を出すのかを常に観察しています。それくらい、子どもは親に依存しています。

だから、子どもは、親の行動やコミュニケーションスタイル、エモーショナル・リテラシー、調整能力などによって、様々な場面で影響を受けます。家庭生活や学校などでのコミュニケーション、ストレスやトラブルなどに対する対応などが、子どもに与える影響を決定づけます。親から学んだスキルや行動パターンは、子どもの成長を促す役割も大きいです。

香川大学鈴木裕美教授の論文によると、子どもが失敗したとしても、その行動の結果に対して前向きな言葉掛けができれば、ドーパミンの分泌が促されるという研究結果もあります。

「失敗さえも新たな学びになる」と子どもが理解し、ドーパミンが出れば、非認知能力はいつまでも発達し、自主的に生きる力を育ててくれます。

鈴木裕美『育てよう非認知能力ーこれからの社会を生き抜くために必須な資質ー』

3. 親のコミュニケーションスタイル、行動パターンがどんなふうに子どもの人格形成に影響を与えるのか?

親のコミュニケーションスタイルや行動パターンは、子どもの人格形成に非常に重要な影響を与えます。

親の非認知能力、例えば、感情をコントロールする能力、効果的なコミュニケーション能力、問題解決能力などは、子どもの成長に大きな影響を及ぼします。これらのスキルは「ソフトスキル」とも呼ばれ、子どもが将来、社会的成功を収める大人になるために身につけておくことが不可欠です。そういった非認知能力は、子どもの学業成績、社会性と情動の発達、そして全体的な幸福感に大きな影響を与えることが研究で明らかにされています。

コミュニケーション不全は、親が子どものネガティブな感情を否定するケースで起こります。日常的に改善されないければ、愛着システム不全を形成し、その後の心の発達や人間関係に大きく影響します。ネガティブ感情に対する脆弱性の基盤を形作ります。

大河原美以:「教育臨床の課題と脳科学研究の接点(1) : 「感情制 御の発達不全」の治療援助モデルの妥当性」『東京学芸大学紀要. 総合教育科学系

親が子どもに対して、ネガティブ感情を否定したり、拒絶したりすると、子どもの感情、親への愛着が修復できない状態になり、心を閉ざしてしまい、他人とのコミュニケーションも発展しにくくなるのです。

逆に言いますと、親が子どもに対して寛大なコミュニケーションを行ったり、他人とのコミュニケーションスキルを育てることを支援したりすることで、子どもは自分自身を理解すること、他人との効果的なコミュニケーションを行うこと、自分の感情を把握することを学ぶことができます。逆に、親が冷たいコミュニケーションを行ったり、子どもの感情を無視することで、子どもは自分自身や他人の感情を把握すること、効果的なコミュニケーションを行うことを学ぶことができない可能性があります。

親のコミュニケーションスタイルの変化は、子どもに大きな影響を与えます。良いコミュニケーションスタイルを持っている親は、子どもの感情や考えを尊重することで、信頼関係を築くことができます。また、誠実で開かれたコミュニケーションを通じて、子どもは自分自身の考えや感情を表現することができるようになり、コミュニケーション能力を向上させることができます。一方、攻撃的なコミュニケーションや、子どもの感情や考えを無視するようなコミュニケーションスタイルは、子どもに不信感や恐れを与え、コミュニケーション能力の低下に繋がることもあります。

このように親の行動パターンは子どもに大きな影響を与えます。親の言動は子どもが今後の人生で大事にする価値観やコミュニケーションスタイルを形成する上で重要な役割を果たします。また、親の行動パターンは子どもの自己評価や自信にも影響を与えます。さらに、親との良いコミュニケーションを取ることができる子どもは、他の人とのコミュニケーションスキルも向上し、人間関係を改善することができます。

だから、親の方が先にコミュニケーションスタイルを変えることによって、子どもも変化してくるのです。

4. 親が何の非認知能力を伸ばせば、子どもに良い教育を与えられるのか?

親と子どもの一番大きな違いは、親は大人であることです。大人になってから伸ばしにくい非認知能力はいくつか存在しますので、伸ばせる能力の方から伸ばして、子どもにいい教育を与えることが効果的でしょう。

親が持つ非認知能力が子どもの教育に良い影響を与えることは多いです。例えば、親が自分の感情や行動をコントロールすることができる、感情知能や自己調整能力、道徳的信念や責任感のあるモチベーションと誠実性などが、子どもに良い影響を与えることがあります。

また、親とのコミュニケーションスタイルや指導方法にも影響があり、親が話しかけやすい、感情や状況に対して適切な対応をすることができることも大切です。

すなわち、親が伸ばして、子どもにいい教育に良い影響をもたらす非認知能力は:

  • コミュニケーション力
  • 他者理解
  • 自己認識
  • 感情コントロール
  • 時間的展望

これらの非認知能力を伸ばすことによって、親が子どものことを理解しやすくなります。親のコミュニケーション力が上がれば、子どもとのコミュニケーションが良くなるのです。

例えば、今まで、子どもが拗ねることがあると、親が一方的に子どもにやめて欲しいと伝えて、子どもがどうして拗ねるか、どんな感情を抱いてるのかを無視してきたら、子どもがその場でのネガティブな感情を解消できず、どんどん貯蓄していきますし、親へ対する信頼感情も薄まっていくのです。

なぜなら、人は理解されてから、相手のことを理解し始める生き物です。

そして、親の感情コントロール能力が、子どもの精神的健康に影響を与える可能性があります。

自分自身の感情をうまくコントロールし、他人と効果的にコミュニケーションをとることができる子どもを持つ可能性が高くなります。自分のストレスレベルを効果的に管理できる親は、自分自身のストレスレベルを上手に管理できる子どもを持つ可能性が高くなります。同様に、自分自身の健康を効果的に管理できる親は、自分自身の健康をよりよく管理できる子どもを持つ可能性が高くなります。同様に、思慮深く合理的な方法で問題解決や意思決定ができる親は、同じようにできる子どもを持つ可能性が高くなります。

例えば、自分自身のメンタルヘルスを効果的に管理できる親は、自分自身のメンタルヘルスをよりよく管理できる子どもを持つ可能性が高いでしょう。

これくらい、親の非認知能力が子どもの教育に絶大な影響をもたらしているのです。

5. 親は大人になっても、非認知能力を伸ばすことは可能なのか?

結論から言いますと、伸ばせる能力もあれば、伸ばしにくい能力もあります。

伸ばしにくい非認知能力:

  • 社交性
  • 意欲
  • 忍耐力

伸ばせる非認知能力:

  • 自己認知
  • コミュニケーション力
  • 感情のコントロール

上記3つの非認知能力は大人になっても伸ばすことができます。

自己認識

自分の価値観を理解することによって、今までの選択とその選択によって生じた結果の理由が理解できます。そうすることによって、自分の価値観に合ったことに合わせて付き合う人を選ぶことや、価値観を擦り合わせていけることができます。

そして、自分の長所・短所を理解することによって、短所を無理に伸ばすよりかは、長所を伸ばして、短所の部分は人に頼ることができます。そうすると、自分の長所と不足している部分を理解した上で、自己開示ができるので、人間関係がより上手くいきます。

コミュニケーション力

コミュニケーション力はヒューマンスキルの一つで、コミュニケーションを取る技術、コミュニケーションを潤滑に取れる能力でもありますし、コミュニケーションを取る手段のひとつだと言われます。

コミュニケーション力が高い人は、相手と意思疎通することができるのですが、ヒューマンスキルの側面から見ると、良好な人間関係を築きやすいので、円満な家庭を築くためには欠かせません。

感情のコントロール

もし、感情のコントロールが出来ていないのであれば、それには原因があります。それは、過去の出来事や、貯蓄してきた感情が処理できていないからです。感情を整理して、自己理解が深まると、自分がどんなことに喜び、悲しみ、怒りの感情を持つことを理解できるので、自分でどんな感情を選択するのかを選ぶことができます。

まとめ

親の非認知能力、例えば、感情をコントロールする能力、効果的なコミュニケーション能力、問題解決能力などは、子どもの成長に大きな影響を及ぼします。これらのスキルは「ソフトスキル」とも呼ばれ、子どもが社会的に成功した大人になるために身につけておくことは不可欠です。

親の非認知能力も子どもの全般的な幸福に影響を与える可能性があります。

親の非認知能力を伸ばすことによって、子どもの非認知能力も伸ばせますし、家庭内のコミュニケーションもより潤滑になるはずです。ご自身がどんな非認知能力を伸ばせばいいのかにご興味ある方は、ぜひ下記のリンクから講座内容をご覧ください。

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